不動産投資している、またはしようと思っている方々の目的は、「お金が欲しいから」ですよね。
「いや、如何に快適な空間を提供するかが目的だ。お金じゃない。」
っていう人は、かなり少数派でしょう。やっぱりお金ですよね。
そもそも「お金」って、一体なんなのでしょう?
先に結論を言ってしまうと、社会に存在するお金は全て「借金」なのです。
私がこのことを知ったとき、まさに「目からウロコ」でした。
このお金の基礎がわかると、経済のいろいろなことが見えてくるので、ぜひ一読いただけたらと思います。
お金は全て借金から生まれる
普段使っているお金、皆さんはどうやって入手してますか?

「働いて、給料でもらってんだよ!」
だいたいの人はそうですよね。
では、その給料を支払った会社は、どうやってそのお金を調達してますか?

「会社がモノを売ったら、お金が入ってくるんだよ!」
それもその通りです。
では、男前くんではない、他の人がその会社のモノを買うには?

「そりゃその人も、貰った給料を使うでしょ。」
では、その人がお金を持っていなくて、でも今日明日にでもそれが必要だったら?

「そ、そりゃ、誰かから借りるしかないでしょ。」
そうですね。お金がないのだから借りるしかないですよね。(ここでは犯罪系は除外します。)
でも、それが100円とかのレベルじゃなく、かなり高額なモノだとしたら? 借りられますか?
個人レベルだと、知り合いの金持ちで貸してくれそうな人が見つかればラッキーですが、一般的には大金を貸してくれる知人をお持ちの方は少ないと思います。
しかし、企業だと、どうしても高額なモノを手配する必要性がでてきます。
例えば、男前くんにはバイトで稼いだ10万円の貯金がありました。
男前くんが「よし!かっこええTシャツ作る会社を起業するぞ!俺のデザインセンスは完璧だ。売れるぜ、これは!」となったとしましょう。

まぁな。オレ、センスの塊みたいなモンだからな。
しかし、合同会社を設立する諸費用で10万円は底をつきました。
このままでは設備投資ができません。
設備がなければTシャツが作れないので、すぐにでも設備が欲しいのです。
じゃぁどうするか。
男前くんの会社が、銀行からお金を借りて設備投資するのです。
結果、男前くんの会社がその設備を使ってTシャツを作って売って利益(お金)が出れば、それが給料として男前くんやその従業員の手に渡るのです。
では、そもそも男前くんの起業時の10万円のお金はどこから生まれたのか?
これも誰かの借金なのです。
そのバイト先の企業が銀行から借金をして設備投資して、モノやサービスを売って得た利益から、男前くんにバイト代が支払われるのです。
そのバイト先企業のモノやサービスを買った企業は、設備投資のために銀行から借金をしてそのモノやサービスを調達して。。。
というように、みなさんが使っているお金、それは全て誰かの「借金」から生まれているのです。
誰かが借金しているから、皆さんの手元にお金があるのです。
お金は「借金」以外からは生まれません。「絶対に」です。
お金の流れ
お金の流れの中で、私たちが身近に感じるお金は「働いて給料をもらう」=「会社に労働力を提供して対価をもらう」という部分だけなので、「私たちが手にするお金が借金である」と言う実感がありません。
しかし、その労働力の対価であるお金、それは誰か(主に企業)が銀行からお金を借りることで社会に生まれてきたものなのです。

お金の源泉は「中央銀行」です。
日本では「日本銀行」が中央銀行の役割を担っています。
日本銀行は「円」というお金を作り出す権利を持っています。

日本銀行って、お金作れんのか!最強だな!
- 「日本銀行」はお金を作って「一般の銀行」に貸出す。
- 「一般の銀行」は「社会の誰か(主に企業)」にお金を貸出す。
これ以外に、社会にお金が出回るルートはないのです。
もう少し具体的に書くとこんな感じです。

- 「日本銀行」はお金を作って「一般の銀行」に貸出す。
- 「一般の銀行」は「企業A」「企業B」「企業C」へお金を貸出す。←ここで社会にお金が生まれる
- 「企業A」は「企業B」の商品を買う →「企業A」は「企業B」にお金を支払う。
- 「企業A」は、企業Bから買ったの商品を使って、新しい商品を作る。
- 「企業C」は「企業A」の商品を買う →「企業C」は「企業A」にお金を支払う。
- 「企業A」は、得られた代金から「企業Aの社員」=「個人」に(労働の対価としての給与)を支払う。
- 「個人」は「企業C」の商品を買う →「個人は」は「企業C」にお金を支払う。
こうやってお金は社会を循環するわけですが、元を辿れば、「中央銀行」→「一般の銀行」からの「借金」であり、しつこく繰り返しますが、「借金」以外に社会にお金が出回ることはないのです。
外国から入ってくるお金は?

外国人に商品を売れば、借金しなくても海外から日本の社会にお金が入ってくるじゃないか。
日本銀行からの借金だけが社会のお金じゃないだろっ。
いいえ、元を辿ればそれも借金なのです。
消費者が外国人(外国の企業)であっても、外国の消費者はその国の中央銀行からお金を借りているので、結局のところ、日本社会に出回っているお金は借金なのです。
例えば上の図の「企業C」が米国企業だった場合です。
「米国の銀行」は「米国の中央銀行」からお金を借りて、「企業C」は「米国の銀行」からお金を借り、そのお金で日本の商品を買うのです。

日銀がお金をばら撒けば景気はよくなるんじゃないの?

日本銀行がお金を作れるんなら、日本銀行が社会にガンガンお金をばら撒けばいいじゃないか。
それはできないのです。
日本銀行はお金をつくることできますが、作るだけです。
社会にお金を流すためには、誰かがそのお金を借りてくれなければなりません。
結局のところ、「借りる誰かがいなければ、社会のお金は増えない」のです。
まとめ
ここまでの説明の通り、社会に存在するお金は全て「借金」なのです。
「誰かの借金」以外に、社会にお金が出回るルートはありません。
この「社会のお金は借金である」が理解できると、今起きている経済の事情が色々と見えてくるのです。
例えば「なぜ、日本人の給与所得が上がらないのか?」とか。
理由は「社会に出回っているお金が少ないから」です。
このことについてはまた次の機会に。
参考にさせて頂いた「目からウロコ」な本はこちら↓
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